BeAST
「嫌?」
2人を見れば、少し驚いて俺の両腕にそれぞれくっつく。
いつもの図だ。
「好き〜」
「かぁいい〜」
「どうも」
ケーキ屋に行ってゆっくりしていれば、外はそこそこ暗くなっていて、
「夕飯、何食べたい?」
「んー、皆でなら食べ放題とか行く?」
「ははっ、いいな。慎矢と漸似合わねえだろうな」
犀川が、あっ、という顔をする。
「口に合わない……?」
「大丈夫だろ。おもしろそーだしそうしよ。近くの食べ放なら、こっち行くか」
そう言って2人を連れて歩いていたのはいいが、
「君たち、すげえ美人さんたちだね」
「俺らと遊ぼ?」
ナンパに捕まった。
あーそうか。俺も男の格好じゃないしな。
この近道はミスったか。
しかもここ歩く時は、柊吾が必ず一緒だった。
「すみません、用事あるので」
「君身長高いね?モデルとかやってるの?」
逃げ道を無くすように前に来る。
2人か。
片方は細身だが、片方がガタイいい。
どうしたもんか。
とりあえず、両脇の2人を見る。
不安そうだけど、やっぱ2人はナンパされ慣れてるか。
傍から見れば無表情を貫いて口を噤んでいる。
こういうのは無反応が1番、か。
「約束、遅れちゃうので道開けてもらっても」
そこまで俺が話せば
「灯織?」
もう、懐かしく感じる声に呼ばれる。
俺の目線の先。男たちもゆっくり振り返る。