BeAST
「柊吾」
俺が名前を呼べば、ナンパ野郎たちが、ビクッと体を揺らす。
「と、柊吾さん」
恐怖というより、少し興奮した感じだ。
「どうしたんすか!今日はvel〈ベル〉に?」
どっかの店のことだろうけど、
「いいや、通りすがっただけだ。それより、お前ら何してんの?」
温度がガクりと下がる感じ。
圧倒的なオーラ。
ゾッとするような真っ暗な目。
「ぇっ、何って…」
「久しぶり、柊吾」
圧倒され、動揺し出すその男たちの方が不憫になって俺の方に意識をシフトさせようと声をかける。
両脇の2人も、俺の腕を掴む力が強くなったわけで、心配させたくは無い。
「大丈夫。知り合い」
そう2人を見て言えば、目を瞬かせる。
「友達?」
「うん」
「なんでこんな所にいるの」
呆れたような顔をして
「まあ、大体想像は着くけど」
ため息をつく柊吾。
何かを決めたように、こちらに歩いてくる。
「その子、俺の大事な子だから、今回は諦めて」
俺を一直線に見つめたまま、低く二人の男に話す。
そこで、
「も、もしかして、君、ミキちゃん?」
細身の方が俺を見る。
あー、見たことあんだ?