BeAST
睨めば、クスクス笑う柊吾。
「じゃ、俺はこれで。邪魔したね。気をつけて帰るんだよ」
ポンポンと俺の頭を撫でて、他5人に軽く笑いかける柊吾。
あんたは十分魅力的だ。
愛してくれる人が絶対いる。
俺にとっての丞さんみたいな。
「ちゃんと見てろよ、慎矢」
歩いていく柊吾の背中を見つめて、慎矢に言う。
「ああ」
「頼もしいブラコンくんだな」
「るせえ」
俺が笑えば、不機嫌そうにそっぽを見る慎矢。
振り返れば、説明しろ、と言いたげな面々。
「お前らがサイコパスって呼んでた、俺の兄貴」
サイコパス、ね。
「え、嘘」
「慎矢くんの彼女襲ったっていう…?」
女子二人が眉間に皺を寄せる。
ああ、その説明したのか。
どんなフォローを入れたとしても、男より女が聞いた方が衝撃的な話だ。
「じゃあ、灯織が同居してたのって」
「あの、慎矢のお兄さんか」
「あいつだよ。慎矢の兄貴で丞さんの後輩。」
動揺を隠せない4人。
前に話したけど、話した内容と本人の雰囲気が一致しないんだろう。
「普通にいい人そうで驚いた?」
「…いい人だったし」
犀川が少し考えたように俯く。
「慎矢にしてきた事を上げれば、キリがないし相当なことしてきたすげえ悪い兄貴だよ。ハルと漸はずっと嫌ってきた男。いやぁ、漸が手出さねえかヒヤヒヤした」