BeAST
「お、おい!与坂、最近灯織と近いぞ!」
「なんか童貞くんがキャンキャン言ってるぅ」
「誰が小型犬だ!」
「誰もそんなこと言ってないぞ」
俺に甘えていいとか言って、俺そっちのけで楽しそうだな。
「うちらじゃ、頼りない?」
犀川が切なそうに首を傾げる。
「……頼りねえとか、思ったことねえよ」
素直にそう口に出す。
でも、俺は力がない。
お前らに何かあったら守れないかもしれない。
「お前が見えてる世界が、俺らとは違うのかもしれないのは分かった」
七種が俺を真っ直ぐに見る。
流石だな、本当に。
「お前は俺らのために頼りなくないって言ってくれてることもな。」
幸大、犀川、与坂。
皆、グッと押し黙る。
「神尾さんや相見先生の話を聞く限り、お前は今まで一人でいることが多かったのかもしれないけど、ここでは誰も、お前を一人にはしてくれないからな」
ああ、なんだろうな。
この胸んとこが熱くなる感じ。
俺……嬉しいのか。
「お前が今まで一人だったんなら、俺らが実質初の学校での友達ってことじゃん」
幸大が嬉しそうに笑う。
「灯織がしたいことは全力で応援するよ」
犀川がまっすぐ俺を見る。
「灯織が辛い時は、あたしなーんでもしてあげるぅ」
俺の頬をつつく与坂。