魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
 思い出さないようにしていたのに、勝手に頭の中にエミリアの声が響く。

 気にしなければ大丈夫、私には錬金術があるんだから。

 何度も言い聞かせて自分を保っていたけれど、存外傷は大きかったようだ。見えないように目をそらしていただけで。

 ずきずきと痛み始めた胸を押さえ、アベルたちとの楽しい会話でエミリアのことを忘れようとする。

 だけどその時、強い刺激臭が鼻をかすめた。

「なに?」

 私が顔を上げた時にはもう、三人が剣に手をかけている。

「リネット、急いで村の人間に伝えてくれ。〝梟の王(ストラス)〟が現れたと」

「わかった!」

< 215 / 466 >

この作品をシェア

pagetop