全部欲しいのはワガママですか?~恋も仕事も結婚も~
お酒のつまみにもなるように、カルパッチョやキッシュを作ってテーブルに並べておいた。
もちろん、ひとり暮らしの私は普段はこんなに何種類も品数を作ったりしない。
自分が食べるだけだから、もっと適当だ。
仕事が休みで時間があったから出来たことだが、誰かのためにていねいに料理を作ったのは久しぶりで楽しかった。
駿二郎と付き合っていたときは、こういうのは無理だったもの。
「郁海はすごいな。キッシュって家で作れるんだな」
「そんなに難しくないよ。ていうか、魁がビーフシチューとか作るから、私も負けてられないじゃない?」
「ははは」
温め直したメイン料理のお皿を持って行くと、魁がふたつの小皿に料理を取り分けてくれていた。
どうやら彼は気が利くタイプのようだ。
「メインはなに?」
「煮込みハンバーグ。……嫌いじゃないよね?」
熱々で湯気が立っているハンバーグのお皿を魁の前に置くと、彼はうれしそうに頬を緩ませた。
「うまそう!」
「もっと和食っぽいメニューのほうが良かった? 魁を子ども扱いしてるからハンバーグにしたわけじゃないの。これは私の得意料理だからで……」
「そんな勘ぐりはしてないって」
あたふたとしながら言い訳をする私を見て、魁が吹き出すように笑った。
誤解されていないならそれでいいのだけれど。
もちろん、ひとり暮らしの私は普段はこんなに何種類も品数を作ったりしない。
自分が食べるだけだから、もっと適当だ。
仕事が休みで時間があったから出来たことだが、誰かのためにていねいに料理を作ったのは久しぶりで楽しかった。
駿二郎と付き合っていたときは、こういうのは無理だったもの。
「郁海はすごいな。キッシュって家で作れるんだな」
「そんなに難しくないよ。ていうか、魁がビーフシチューとか作るから、私も負けてられないじゃない?」
「ははは」
温め直したメイン料理のお皿を持って行くと、魁がふたつの小皿に料理を取り分けてくれていた。
どうやら彼は気が利くタイプのようだ。
「メインはなに?」
「煮込みハンバーグ。……嫌いじゃないよね?」
熱々で湯気が立っているハンバーグのお皿を魁の前に置くと、彼はうれしそうに頬を緩ませた。
「うまそう!」
「もっと和食っぽいメニューのほうが良かった? 魁を子ども扱いしてるからハンバーグにしたわけじゃないの。これは私の得意料理だからで……」
「そんな勘ぐりはしてないって」
あたふたとしながら言い訳をする私を見て、魁が吹き出すように笑った。
誤解されていないならそれでいいのだけれど。