全部欲しいのはワガママですか?~恋も仕事も結婚も~
「フフフ。冗談よ。食べたことないものを作れるわけがないでしょう。今日は肉豆腐とコロッケ」
「ビックリした。でも私、どっちも大好きよ」
コロッケか。この暑い時期に揚げ物をするなんて、母は偉大だ。
私が帰ってくるからがんばったのかもしれない。頭が下がる。
出来た料理を運び、三人でダイニングテーブルを囲んだ。
ビールを飲みながら母の料理をいただくと、今日一日の疲れが取れるようだった。
「で、お母さん、話ってなに?」
「とりあえず食べましょ。ご飯がまずくなってもいけないし」
自然な感じで本題を切り出したものの、母は首を横に振った。
ご飯がまずくなるような話なのだろうか。もうこうなると嫌な予感しかしてこない。
「おいしかったわ。ごちそうさま」
食事を終え、私が使った食器を洗っているあいだに、母が食後のアイスコーヒーを三人分淹れてくれていた。
とにかく母の話を聞くまでは帰してもらえないので、覚悟を決めて再びダイニングの椅子に腰をおろす。
「今日呼んだのはこの話なのよ」
母が自分の膝の上に置いていたA4サイズの封筒を、私の目の前に差し出してくる。
「ビックリした。でも私、どっちも大好きよ」
コロッケか。この暑い時期に揚げ物をするなんて、母は偉大だ。
私が帰ってくるからがんばったのかもしれない。頭が下がる。
出来た料理を運び、三人でダイニングテーブルを囲んだ。
ビールを飲みながら母の料理をいただくと、今日一日の疲れが取れるようだった。
「で、お母さん、話ってなに?」
「とりあえず食べましょ。ご飯がまずくなってもいけないし」
自然な感じで本題を切り出したものの、母は首を横に振った。
ご飯がまずくなるような話なのだろうか。もうこうなると嫌な予感しかしてこない。
「おいしかったわ。ごちそうさま」
食事を終え、私が使った食器を洗っているあいだに、母が食後のアイスコーヒーを三人分淹れてくれていた。
とにかく母の話を聞くまでは帰してもらえないので、覚悟を決めて再びダイニングの椅子に腰をおろす。
「今日呼んだのはこの話なのよ」
母が自分の膝の上に置いていたA4サイズの封筒を、私の目の前に差し出してくる。