再会は甘い恋のはじまり…とはかぎりません!(おまけ追加しました)
五月も終わりが近づく頃になると、健斗とのやり取りは眼に見えて減っていった。
スカイプはこの二週間一度もしていない。祥が送るメールにも返事が返ってこない。
健斗は忙しいんだからと、祥は暗くなる気持ちを紛らわせていた。
就活は順調に進んでいた。泉ホテルは適性検査もクリアして、面接が控えている。
でも、このところ体調が思わしくなく、なんとなく気持ちが悪い日々が続いている。
気分が落ち込むのはそのせいだ。春のせいか、やたらと眠く体が重いのも気がかりだった。
ぼんやりとカレンダーを見ていて、あれっと気づく。
今月、生理がきていないかも。先月っていつだっけ?
祥も女の子の端くれ、いちおう周期はつけている。
遡って見てみると、三月にきたのが最後。バタバタしていて、全く気付かなかった。
祥は血の気が引いていく気がした。
まさか…
避妊はちゃんとしていた。でも、別れが近づくにつれて、感情に流され曖昧になっていたのも事実だ。
震えながらドラッグストアで検査薬を買ってくる。
祈るような思いで検査をすると…
『陽性』
プラスチックの棒は簡単に事実を突きつけた。
へなへなと座り込み、祥は茫然とした。
健斗に連絡しなきゃ!
メールのやり取りはしていても、電話は遠慮していた。でもそんなことを言ってる場合じゃない。今ロンドンは朝の8時。シフトがわからないが、電話が通じる可能性も高い。
震える指で電話をすると、「おかけになった電話番号は電源が入っていないか…」というアナウンスが流れた。
しばらくして、もう一度かけてみても、同じアナウンスが流れる。
それから何度かけても同じことの繰り返しになった。
メールを出しても全く返事が来ない。
突然健斗と連絡が取れなくなってしまったのだ。