再会は甘い恋のはじまり…とはかぎりません!(おまけ追加しました)
自宅で検査をしてから一週間が過ぎ、祥は病院に行くことを決意した。
妊娠検査薬も完璧ではないのだ。もしかしたら、妊娠していない可能性もある。
何よりも明日から就活の大事な面接が始まる。白黒はっきりさせないといけない。
祥は初めて産婦人科に足を踏み入れ、噂に聞いていた内診台に上った。
産婦人科はやたらと明るくて、場違い感が半端ない。
「妊娠してますね。もう赤ちゃんを確認できますよ」
祥は妊娠11週目に入っていた。
一瞬目の前が真っ暗になり、言葉を発することができない。
女性医師はそんな祥の様子に気づかないのか、明るい口調で「この小さいのが赤ちゃんですよ」と言った。
エコーの画面を見ると、小さな雪だるまのような形が見える。
それは、もぞもぞと動いていた。
食い入るように見つめていると、頭をふるふると動かしているのがわかる。
祥は自然と涙が溢れた。
ごめんなさい。
妊娠してるとわかって、絶望してごめんなさい。
可愛らしく動く赤ちゃんに詫びた。
確かに、祥のお腹の中には人が一人生きているのだ。
迷う気持ちはエコーを見るまで。赤ちゃんを見てしまったら、もう迷えない。
産もう。
祥はまっすぐ前を向いた。