再会は甘い恋のはじまり…とはかぎりません!(おまけ追加しました)
氷枕に氷を詰めて、加湿器も用意する。氷枕や加湿器は貸し出しを希望するお客様が多いので、ホテルにはたくさんあるのだ。託児部で子ども用のマグも借り、言われたものを持って健斗の部屋に戻った。
健斗は加湿器を炊き、祥はつむぎに飲み物を飲ませる。
かいがいしく動き回る健斗の姿が目の端に映った。
子どもが病気になったとき、両親はこんな風に分担して世話をするのだろうか。
つむぎの具合が悪くなった時、祥は一人で看病をしてきた。
もちろん、和子さんやマスターが様子を見に来てくれたりするけれど、基本は一人だ。夜『珈琲』が閉まるとすごく心細かった。
祥が不安になると、つむぎも不安になる。二人でべそべそと泣いた夜は数えきれないほどあった。
ここにいさせてもらえてよかった。
真っ赤な顔で浅い息をするつむぎを見て、祥は素直に感謝した。
「子どもの着替えは多めに持ってきてくれ」
祥がもう拒否しないとわかったのだろう。
健斗はそう言って、また祥を部屋から追い出した。