一度は消えた恋ですが――冷徹御曹司は想い続けた花嫁に何度でも愛を放つ
コンクリートを打ち放したモダンなデザインの大きな門をくぐり抜けると、庭には一面の芝生が広がっていた。
高い塀に沿って庭木が植えられているので、外部からの視線を気にしなくてもいい設計だ。
木製の玄関ドアは重厚で、無機質な設計の中で唯一の温かみを感じさせていた。
ホテルのロビーのような玄関に紗羽が目を丸くしていると、懐かしい声が聞こえた。
「紗羽さん!」
「み、三船さん!」
半年ほど前に小椋家を辞めさせられていた三船がバタバタと走ってきた。
「お怪我はもう大丈夫なんですか?」
涙ぐみながら、三船が紗羽の腕を軽く抱きしめる。
「ええ。ど、どうして三船さんがここに?」
「まずは落ち着いて、座ってから話そう」
驚きと疑問だらけの紗羽を、匡は玄関脇のドアを開けて中へ入るように誘った。
そこはコンクリート壁を生かした応接室のようで、驚くほど個性的な空間だった。
どうやら家具がアクセントになっているらしく、からし色の皮のソファーには清水と顔見知りの小椋家の弁護士が座っていた。
その横にモダンな赤い背もたれの椅子がいくつか置かれて、知らない男性がふたり座っていた。
清水の紹介によると、モリスエ・エレクトロニクスの秘書と弁護士だという。
「これで必要な顔ぶれが揃ったな」と呟くと、匡がようやくいきさつを話し始めた。