一度は消えた恋ですが――冷徹御曹司は想い続けた花嫁に何度でも愛を放つ


「ガーデンパーティーだけど、ウエディングドレスは着てもらうからね」

紗羽は自宅での式とパーティーだから、シンプルなワンピースにパールのネックレスくらいですませるつもりだった。
だが、ゆかりは妥協しない。

「緑のお庭に、真っ白なエンパイアスタイルのドレスは映えると思うわよ」

ゆかりはあれこれと計画を練っては、紗羽を振り回していた。

「それとも、足をチラ見せするフィッシュテールスカートのドレスがいいかしら?」
「匡さんが好きな方でいいかな」

「もう~、紗羽ったら! 彼のために一番キレイになる日よ。当日までドレスのデザインは内緒だからね!」

エネルギッシュなゆかりに叱られながらも、衣装や食事のメニューをあれこれ悩むのは紗羽にとって幸せな時間だった。
憧れから始まった紗羽の恋は、とうとう現実の物として実を結ぼうとしている。
ずっと紗羽の側で応援してくれていたゆかりは、親友の結婚式を最高のものにするのが自分の役目だと言う。

「ありがとう、ゆかり」
「なに言ってるの、友達なら当たり前でしょ」
「それでも、なにからなにまでお世話になりっぱなしだもの」
「お礼ならブーケがいいな。私に投げてね!」

ウインクしながら花嫁のブーケをねだるゆかりの言葉に、紗羽は当日必ず投げると約束した。

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