一度は消えた恋ですが――冷徹御曹司は想い続けた花嫁に何度でも愛を放つ


五月の上旬、とてもよく晴れた日曜日。
爽やかな風が、森末家の庭を吹きぬける。

テラスの横に白いテントが張られ、その周りには白バラを盛った花籠がいくつも置かれていた。
招待したのはほんの三十人ほどだった。
唯一の身内といえる匡の弟の翔は、大きな仕事が入って帰国できないと連絡があった。
紗羽の異母兄一家はどこにいるのかわからないし、匡は招待するつもりもないから探す気はない。
でも集まってくれてた人たちは皆が心から匡と紗羽の門出を祝福する気持ちに溢れている。
幸せな気持ちの人が集まるだけで、屋敷の中は和やかな雰囲気になっていた。

「新郎新婦の登場です。皆さま、拍手でお迎えください」

司会まで任されたゆかりは、マイクに向かってはっきりと大きな声で宣言した。
音楽が流れ始める。
大きく開け放たれたリビングの掃き出し窓は白いリボンで飾られていて、そこから匡と紗羽が姿を見せた。

「おめでとう!」
「おめでとうございます」

拍手に迎えられて、ブラックスーツの匡とオフショルダーのエンパイアラインのドレスを着た紗羽が歩み出す。
胸の下で切り替えられたドレスは美しいレースで作られていて、歩くたびに裾に向かって広がるスカートが揺れた。




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