冷徹御曹司は過保護な独占欲で、ママと愛娘を甘やかす
私たちは一緒のベッドで眠り、翌朝には東京行きの新幹線に乗った。望のことは、まず豊さんが手配する調査会社の人に確認を取ってもらうことにした。本人は接触せずに、仙台に居住しているかを調べてもらうのだ。
確定したら、今度は住居を目指して会いに行く。未来も可能なら連れて行こう。
ふたりでそう決めた。
実家に帰り着くと、未来が玄関までよちよちと走って出迎えた。

「まあま、ぱあぱー!」

もう少しで一歳半になる未来の成長には目をみはるものがある。何より、私と豊さんを両親だと認識し、呼んでくれるのが嬉しい。

「未来!」

豊さんが顔をほころばせ、未来を抱き上げた。未来がきゃっきゃと笑い声をあげて、豊さんの頭にしがみついた。最近は豊さんの目元のほくろを指でぐりぐりするのが好きで、豊さんが困って笑うと余計に喜ぶのだ。
実家のリビングに入るまで、ふたりはべったりと再会を喜んでいる。

「まあまあ、豊さん」

母が豊さんと未来を見て、驚いた声をあげた。連れ子と義父がこれほど仲良くしているとは思わなかったのだろう。
しかし、母と遅れて居間に出てきた父の表情が、徐々に変わっていく。
未来と豊さんはこうしてみると驚くほどよく似ていた。親子としか見えないような似方をしている。

「明日海……」

困惑した声で母が呼ぶ。私は両親に向かって、頷いた。

「きちんと報告したいことがあるの。だけど、もう少し待っていてほしい」

今、言っても両親は祝福してくれるかもしれない。だけど、できれば望のこともはっきりさせて、私と豊さんがあらためて入籍するときに言いたい。せっかく、望の手掛かりが見つかったのだ。両親を安心させたい。

「……ああ、わかった」

父が言った。

「おまえと未来が、豊さんと幸せそうにしている姿を見られただけで、私はホッとしているよ」

私と豊さんはお土産を渡し、未来と三人で帰宅したのだった。

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