冷徹御曹司は過保護な独占欲で、ママと愛娘を甘やかす
「笛吹副社長、俺はこうしてやってきました。これからどんな謝罪でもします。訴えられる覚悟もしてきました。でも、どうか姉ちゃんとその子どもは解放してやってください! 姉ちゃんは悪くないんです。姉ちゃんを自由にしてやってください!」
「豊さん、私からもお願いします。望くんのお姉さんを、巻き込まないであげてください!」

望と可世さんが必死に懇願するのを、私はなんと答えたものかと迷う。
一方、豊さんはふたりをどこか呆然と見つめ、低い声で呟いた。

「そう……だな」

私は豊さんの横顔を見つめた。彼は眉間にしわを寄せ、苦しげな声音で言った。

「俺のしてきたことは、明日海と未来を縛ることだったのかもしれない。強引なことをした」

次の瞬間、私は勢いよく立ち上がっていた。未来を抱いたままだ。

「どうしてそんなことを言うんですか?」
「明日海」

私以外の三人が驚いた顔で私を見上げる。私は拳を握りしめ、勢いに任せて怒鳴った。

「私は私の意思であなたといます! 私の意思であなたの子を産んで、私の意思で今、あなたの妻をしています! どうしてそんなことを言うんですか? 私と未来を捨てる気ですか!」

思いのほか激しい声になってしまった。だって、豊さんが後悔しているように見えたのだ。私と未来と三人で生きて行こうと誓ったばかりなのに。
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