冷徹御曹司は過保護な独占欲で、ママと愛娘を甘やかす
「姉ちゃん、どういう……」
「この子は、豊さんのとの子なの! 望の馬鹿! 相談くらいしてよ! お父さんもお母さんも私も心配したんだから! ひと言も連絡をよこさないなんて……私と豊さんだってすごく遠回りしたのに……」

涙がにじんできた。未来が私の顔を不思議そうに見つめている。
豊さんが立ち上がり、未来ごと私を抱きしめた。

「明日海、すまなかった。そういうつもりじゃない。ただ、望くんに指摘されてみれば、俺は強引にきみと未来を自分のものにしたんだと思って……」
「だからって、自由とか解放とか、そんな言葉に頷いたら私だって傷つきます! 豊さんと一緒に生きていくって誓ったのに!」
「明日海、どうか泣かないでくれ」

豊さんが抱擁を強くし、私の髪に頬ずりする。
そこで私は、呆気にとられた様子で見つめる望と可世さんと目が合った。

「あの……完全にふたりの世界なんだけど、……俺、何か勘違いをしてたかな」

さすがに私と豊さんも、恥ずかしくて身体を離した。豊さんが咳払いをして、先にソファに着く。

「すまない、望くん、可世。俺から話す。俺もきみたちに謝りたいことがあるんだ」

私も赤い顔のまま座りなおした。未来ひとりが楽しそうにあーうあーうと声をあげていた。
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