もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
 その夜、シエルはグランツに用意された部屋のベッドでちょこんと座っていた。

「最初からこのつもりだったんじゃないだろうな……」

 落ち着かないのか、先ほどからグランツは部屋の中を行ったり来たりしている。

 シエルは少し考えてから、とりあえず辺りを見回した。

 清潔感のある過ごしやすい部屋は、シエルたちがいる寝室と続き部屋になっている。寝室にはかなり大きなベッドがひとつと家具がいくつか置いてあるだけだ。

(グランツ様が三人いても、ゆっくり眠れそう)

 彼が三人いるところを想像してくすくす笑っていると、グランツが足を止めた。

< 265 / 477 >

この作品をシェア

pagetop