もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
 ちら、とグランツの瞳が広いベッドを捉えた。

「恋人になったのに、我慢しなければならないことがあるのですね。てっきりどんなことでもしてよくなったのかと思いました」

「すべて落ち着いた時に改めて。……明日、ベッドから出られなくなるようでは困るだろう」

 気まずげに言うグランツだったが、シエルは得意そうに胸を張る。

「早起きには自信があります」

「うん、そういう問題ではないんだな」

 まだまだ彼女には教えることが多そうだと、グランツがひそかに頭を抱えているのは間違いなかった。

 シエルはまったく気づかず、先ほどのキスの感触を思い出しては喜んでいる。

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