もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
「そうだ。領地に戻ることは許されても、実権の行使は許されていない」

 それにしては城に部屋を用意されており、かなり自由な状態に見える。

(殿下はわかってくださっているようだし、城の外での話なのかもしれない)

 ここへ来たばかりでよくわからないが、彼女は複雑な事情が関係しているのだろうと自身を納得させた。

「騎士団に対してもそうだ。おかげで団員たちが毎日騒がしい。ほかの人間には従いたくないだの、団長はひとりしか認めていないだの。人に聞かれているところで言わないだけ、まだ冷静なのだろうが」

「そうなのですか?」

「ああ。俺を信じてくれているからとはいえ、これは……」

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