もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
 言いかけて、グランツが軽く口を押さえる。

「どうも気が緩んでいるようだ。貴女の告白を受けてうわついているらしい」

 シエルの前で自身を『俺』と呼んだことを気にしているようだ。

 それに気づいたシエルは首を左右に振って、グランツに言う。

「私といる時も殿下や、ほかの方とお話している時のように話してほしいです」

「……怖がらないと約束してくれるか? 今までは行儀よくふるまっていただけで、もともと貴族にしてはかなり、その……」

「グランツ様を怖がるのは難しいと思います。好きですから」

 く、と押し殺した声が聞こえ、シエルはグランツの顔を覗き込もうとした。

< 274 / 477 >

この作品をシェア

pagetop