もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
 やんわり肩を押しのけられて、残念な気持ちになる。

「君の気持ちはわかったから、ほどほどにしてくれ。うれしすぎて理性を繋ぎとめるのが難しい」

「じゃあ、言うのを控えますね」

「それはそれで惜しい……いや、君の感覚で『あまり言わない』でいてくれればいいか」

 不意にグランツの腕がシエルの腰に回った。

 驚いたシエルが身体を強張らせるも、グランツは話に夢中で気づかない。

「騎士団の連中には、城に乗り込んで直談判しようとする暇があるなら、事件について情報収集をしてくれと頼んでいる。それぞれ伝手を使って調べているようだ」

 シエルは心を痛めて眉根を寄せると、ふと思いついたように言った。
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