もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
彼はシエルを温かくて優しいと言ったが、シエルからするとグランツのほうがよほどその褒め言葉にふさわしい人だと感じている。いつだって急かさず待ってくれるグランツを嫌いになるのは難しい。しかしそれが彼の抱く好意と同じものに変わるかどうかは、さすがにわからなかった。

グランツの示す好意は、親友だと囁いたラベーラに与えられたものとまったく違っていて、いつもシエルを困惑させる。

彼はシエルに見返りを求めない。優しくしているのだから、早く求婚に応えろと迫ることもなく、ただ彼女と話す時間を楽しみにここまでやってくるのだ。

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