もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
(……ううん、グランツ様は私を信じると言ってくださったのよ)

 シエルは再び口を開き、自分を信じると言ってくれたグランツにすべてを話した。

 グランツが呼び名を与えるまでずっと名前がなかった理由。幼少期から強い魔力を持っていたため見世物にされ、やがて両親に売られたこと。

 セニルース王国のラベーラのもとで生きてきた話もしてしまった。

「ラベーラ様は、魔獣を呼び出した私を追放刑に留めてくださいました」

「……だが」

 黙って話を聞いていたグランツが、こらえきれなかったように口を開く。その表情は厳しく見えた。

「魔女を討伐するよう、リンデンに要請したのはセニルースのラベーラ王女だ」
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