もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
「ですが、今さら私を殺すくらいならどうして追放にしたんでしょう。最初から処刑しておけばよかったと思いませんか? だからきっと違うんです」

「貴女を恐れていたからではないのか。王女は貴女の本当の力を知っているのだから」

 反論しようとしたシエルは、自分の声が出ないことに気がついた。

 ラベーラは魔女にされたシエルになんと言ったのだったか。

『私のおかげで殺されずに済んだってわかるわよね? だから、あなたを魔女にした私を恨まないでほしいの。呪うのもだめよ。それから……復讐もしないで』

 最後に聞いて久しいラベーラの言葉は、今も鮮明に思い出せる。

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