もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
 馴染みの門番や城の使用人たちとあいさつを交わし、ミディイルを厩舎に預けてから城内に入る。

 赤い絨毯が敷かれた廊下を歩くグランツの腰には剣があった。城内でも帯剣を許されている人間は、そう多くない。

 シエルは知らなかったが、リンデンのカセル騎士団といえば、西の国境を数十年に渡り守り続けてきた守護神とも呼べる騎士団である。

 家門を重視せず、純粋に実力だけで団員が決められるカセル騎士団において、王族から最もあつい信頼を得ているのがグランツだ。

 グランツは慣れた廊下を進み、やがて王城の最上階へ足を進めた。

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