記憶喪失のお姫様は冒険者になりました
シュティーナの願いを叶えたい。
「認める」
俺は小さな声でそう言った。
今、少しずつだが落ち着いてきている。
だがまた忙しくなるかもしれない。
それにもうシュティーナに会えないのは嫌だ。
だから…。
「その代わり、たまには王都に戻ってきて顔を見せろ。わかったか?」
俺の言葉にシュティーナは笑って勢いよく頷いた。
「はい!ありがとうございます、お兄様!」
その笑顔が見れるなら何だってする。
もうお前の涙なんか見たくない。

だからシュティーナ…。
「お兄様、大好きです!」
笑ってくれ。
その笑顔を絶やすことなく、これからも俺も皆を照らし続けてくれ。
俺の…最愛の妹よーー。
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