記憶喪失のお姫様は冒険者になりました
恐らく…丸焦げになってしまったのだろう。
でも…どうしてこんなことに?
ただの火災なのにこんなに燃える?
しかもまだ爆発音がしてから10分も経っていないのに…。
「クロさん…」
「あぁ…」
クロさんもどうやらおかしなことには気づいてるみたいだ。
でもわからない…。
一体、ここで何が起こったの?
「誰か!誰か回復魔法を使える者はいないか?」
そう少し離れたところから聞こえた。
回復魔法…ってことは誰かが怪我をしているということだ。
私は急いでその声がした方に向かう。
「怪我人ですか?怪我の具合は?」
私は急いで怪我人の元へ向かい、怪我の具合を見た。
「…っ!!」
ひどい火傷だ…。
体の半分以上が火傷だった。
「…いた…っ。たす…け、て」
そう女の人は震える声で私の手を握った。
その握られた手にはあまり力が入らないのだろう。
簡単に振り払えてしまうくらい弱かった。
私はできる限り笑顔を作った。
「大丈夫です!私が絶対助けます!」
< 20 / 132 >

この作品をシェア

pagetop