記憶喪失のお姫様は冒険者になりました

📖疑問📖


「ミホ、大丈夫か?」
ふっと目を覚ますと目の前にはクロさんの顔があった。
「クロさ…」
私はびっくりして飛び起きる。
「え、あ、なんで…ここに?」
確かクロさんは用があると出かけたはず…。
「晩飯で呼びに来たんだが返事がなかったから開けたらミホが倒れてたから」
「え?」
晩飯って……。
私はチラッと外を見た。
すると外は真っ暗だった。
「夜?!」
どうやらもう夜だったみたい。
私…丸1日眠ってたの?
「疲れが溜まってるのか?」
心配してくれているクロさん。
本当のことを伝えたらもう……一緒にはいられない?
私は……。
「いえ、大丈夫です!寝たらスッキリしました!!」
ーー言えない。
私はもっと…クロさんと一緒にいたい。
だから私は本当のことは言わなかった。
記憶のことも……。
「そうか。何かあったらすぐ言えよ」
「はい、ありがとうございます」
クロさんはそう言って私の頭をポンポンと撫でた。
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