記憶喪失のお姫様は冒険者になりました

📖別れ📖


その日は朝から騒がしかった。
目が覚めると何やら揉めているみたいだ。
「……から、俺は……!」
ところどころ聞き取れないが間違いなくこの声を私は知っている。
私は勢いよく飛び起きた。
そして軽く髪を手で梳かし、ドアを開ける。
そこにいたのは騎士さん達だった。
きっと王国の……。
「クロさん、何かあったのですか?」
私はクロさんに聞いた。
だがクロさんはすぐには答えてはくれなかった。
……一体、何があったの?
「あの……」
私は気になって騎士さん達に聞こうとした。
だけどそれはできなかった。
クロさんにトンっと押され、私は尻もちを着いた。
そしてクロさんはーー。
「ミホ、大丈夫だから」
そう言ったクロさんの表情はとても大丈夫そうではなかった。
「クロさ……」
クロさんの様子がおかしい!
私は急いでクロさんの元へ駆け寄ろうとした。
でもその前にドアが閉められてしまった。
「クロさん!開けてください!」
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