記憶喪失のお姫様は冒険者になりました

📖返す時📖


クロさんと出会って2週間が経った。
『皇女様がまだ見つからないなんて……』
そんな話が聞こえた。
皇女様…?
私はふっと気になって隣にいたクロさんに聞いてみた。
『クロさん。皇女様は行方不明なのですか?』
『皇女?あぁ……シュティーナ様か』
とクロさんは言った。
シュティーナ様……。
『……様!』
私の頭に誰かの声が聞こえた。
誰の声?
初めて……ではない。
そんな気がする。
『シュティーナ様はこの国の第1皇女様なんだよ。勉学に剣術、それから魔法の天才と言われている方で、周りからは完璧皇女と言われているみたいだよ』
『そんな素晴らしい方なんですね!』
私は会ったこともないシュティーナ様を頭の中で想像する。
きっと……綺麗で家族達から愛されているんだろうな……。
『それからシュティーナ様は金色の髪に水色の瞳でとてもお美しいと言われてるよ』
クロさんの口ぶりから察すると、周りから聞いたみたいな感じだな……。
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