ブルー・ロマン・アイロニー
*
「あまり」
お箸を忘れたから購買にもらいに行っていた帰り。早くお弁当が食べたくてせっせと歩いていたわたしを後ろから呼び止めたのは、ナナちゃんだった。
なにを言われるのか、大体の想像はついていた。
その理由はここ最近、出回っている噂にある。
────柊ナナがアンドロイドとキスをしていた。
もちろん、噂を流したのはわたしじゃないしノアでもない。
だけどその噂は、あの日わたしが見たものと一言一句違わなかった。
「ナナちゃ……」
「あまり」
歩み寄ってきたナナちゃんに腕をつかまれる。
服越しでもわかるほど細い指先に、ぐっと力が入ったのがわかった。
「いいから、黙ってついてきて。お願いだから」
わたしは断ることができずにうなずいた。
ナナちゃんの声は震えていた。その目に宿したものは、いつかのわたしと同じで。
それはなにかを決意した顔だった。
「あまり」
お箸を忘れたから購買にもらいに行っていた帰り。早くお弁当が食べたくてせっせと歩いていたわたしを後ろから呼び止めたのは、ナナちゃんだった。
なにを言われるのか、大体の想像はついていた。
その理由はここ最近、出回っている噂にある。
────柊ナナがアンドロイドとキスをしていた。
もちろん、噂を流したのはわたしじゃないしノアでもない。
だけどその噂は、あの日わたしが見たものと一言一句違わなかった。
「ナナちゃ……」
「あまり」
歩み寄ってきたナナちゃんに腕をつかまれる。
服越しでもわかるほど細い指先に、ぐっと力が入ったのがわかった。
「いいから、黙ってついてきて。お願いだから」
わたしは断ることができずにうなずいた。
ナナちゃんの声は震えていた。その目に宿したものは、いつかのわたしと同じで。
それはなにかを決意した顔だった。