ブルー・ロマン・アイロニー
「ねえあまり、」
「────ごめん!わたしが間違ってた」
ナナちゃんの言葉をさえぎって、わたしはにこりと笑ってみせた。
うまく笑えているかはわからなかったけれど、それでもふるえる口角を無理やりあげて、なんとか笑みらしきものをつくった。
「そうだよね。自分でもなんだかなぁって思ってたの」
「そうだったの?」
ほっと安心したようにクラスメイトがわたしを見つめてくる。
だからわたしは、うん、とうなずいた。
「あーあ、イメチェンなんてしなきゃよかったな」
「どこ行くの、あまり」
「メイク落としてくるね。髪はもうどうしようもないけど、顔だけでも元に戻してくる」
ナナちゃんがわたしの腕をつかもうとした。
さりげなくそれをすり抜けて、足早に教室を去る。
「ついてこないで」
ぴしゃりと言い放つ。
それは、ついてこようとしていたアンドロイドに向けて放った言葉だったけれど。
クラスのみんなに向けての抑制でもあった、と思う。
廊下に出ると、冷たい風がわたしの頬をちくちくと刺していく。
ちくちく、ちくちく。
頬が、胸が、傷んでいく。
冬はもうそこまで迫っていた。
その日からわたしは学校に行けていない。