姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
本邸での生活はとても充実していた。
レイナとミアに可愛がってもらいながら、六人で出掛けたりして楽しい時間を過ごしていた。
笑顔溢れる毎日……結婚する前とは全く違う環境に身を置いている事に時折、違和感を感じてしまう。
周囲を取り巻く環境もゼルナと結婚した事で百八十度変わったようだ。

そして嵐のような社交界シーズンが終わり、別邸へと帰った。

出迎えてくれたマーサと思いきり抱き合った後に、王都でのお土産とハーナからの手紙を渡した。
ブルに押し倒されて顔中を舐められて、動物達に群がられているゼルナは嬉しそうだ。

しかしすぐに起き上がった後に此方に駆け寄ると「体調は大丈夫?」「お腹は痛くない?」「辛くない?」と、オロオロしている姿を見て、彼を落ち着かせるように微笑んだ。
心配そうにお腹をゼルナが摩るのを見たマーサが口元を押さえる。

悪阻が酷くなり始めた為、空気が良い別邸で暮らせるのは本当にありがたい事だった。

ゼルナは「もう少しウェンディとの二人きりの時間を過ごしたかった」と言っていたものの「……ウェンディに似た可愛い女の子が生まれたら僕は嫁に出せない」と言って毎晩、思い悩んでいる。

それからゼルナの溺愛振りに拍車が掛かり、皆もお手上げ状態だ。

綺麗な花が揺れる大好きな場所で澄み渡る空を見上げながら大きく息を吸い込んだ。
幸せな気持ちで胸がいっぱいだった。


「ゼルナ様……愛しています」

「僕も、ウェンディを愛してる」






【その日、私は全てを失った~辺境に嫁いだ結果、溺愛されています!?~】

end
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