【コミカライズ】【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
『やっほー、ラーシュ。じゃんじゃん出てきたよ。アルギナ代理店の資料がね。それにさ、パンクハーストの地図まで出てきて、荒らした工場には几帳面に印までつけてくれていた。明らかに侵入できそうな工場を選んでいるところが賢いと言うか、何というかだよね。ま、こういう資料もちょちょいと見つけちゃうオレって、やっぱり天才? それに、ほら、代表のグレアム・ラベルゴだっけ? あいつ、オレたちが捜索に入った途端、三階の窓から逃げ出そうとして飛び降りて、足の骨、折った。ざまぁみろ、って感じだよね』
 あははは、という楽しそうな笑い声が聞こえてきた。

 ラーシュは顔をしかめる。
「いいから、黙って騎士団の言うことを聞け」
 ラーシュの通話の相手はもちろんマルスラン。そしてホルヴィストへ行っても、マルスランはマルスランのようだ。
 だが、この国の魔導士団の団長があんな奴であるということを、ホルヴィストの騎士団たちに知られてしまうのが、ラーシュとしては不本意ではある。

『おお怖い怖い。これだからロレンティ公爵様は嫌なんだよ。はいはい、キビキビ働きますよっと。お前たち、その資料を押収しろ』
 通話機の向こう側で、団長らしいところも見せようとしているのだろう。

「残念だったな、ヘルムート殿。せっかく、ラベルゴ商会と繋がりを持って、金儲けをしようとでも考えていたのだろう? そのための、婚約、いや、結婚をしたんだったな。よかったよ、私の大事なカリーネにまた復縁を迫られたらどうしようかと思っていたんだ」

 そこでラーシュは見せつけるかのようにカリーネの肩を抱き、引き寄せた。

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