【コミカライズ】【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
 着飾ったカリーネを一目見ようと、母も姉もこの控室にまで足を運んでくれた。
 今日はカリーネとラーシュの結婚式である。
 シンプルなデザインでありながらも凝った刺繍が施されているウェディングドレス。それが、ぐっと大人びたカリーネの魅力を引き出していた。

 日頃の行いが良かったのか、カリーネという人柄が良かったのか。
 澄み切った青空が広がっている。天気さえもカリーネたちのことを祝福しているようだ。

「カリーネ、準備はできたか?」

 満面の笑みを浮かべ、白いタキシードに身を包んでいるのは、これから彼女の夫となるべき男であるラーシュ。

「はい。ですが、お父さまが……」

「ロード伯は式場の外で待っている。やっとフランが説得に成功したようだ。それにしても」

 ラーシュは、彼女の結い上げたライラック色の後れ毛を指ですくい、そこに口づける。首元すれすれに。

「とても綺麗だ。よく似合っている。他の男の目に晒したくないくらいに」

「もう」

 たまにこうやって甘い言葉を囁いてくる彼に、未だにカリーネは慣れない。

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