【コミカライズ】【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
「カリーネ。工場の方で問題があったと聞いたのだが、どうなんだ? 今日は、これから天気が荒れそうだから、皆には早く帰るようと伝えたところだったんだ」

「あ、はい。ですからジョセフと共に戻って参りました」
 ジョセフとは、執事のこと。そして工場から戻ってきたばかりのカリーネは、家用のゆったりとしたドレスではなく、侍女などが着ているお仕着せ姿だ。彼女は工場に行くときはいつもこの恰好をしている。

「それで? 問題は解決したのかい?」

「いいえ。試作基板が動かない、というところまでは確認しましたが、なぜ動かないか、というところの解明にはいたっておりません。いくつか心当たりはあるのですが……」
 と、ぶつぶつ言い出したカリーネは、完全に魔導具士モードだ。

 実はこのカリーネ。ロード伯爵の娘である伯爵令嬢でありながらも、魔導具製作が大好きという一面も持つ。幼い頃から、工場を遊び場のようにしていたカリーネ。魔導具に興味を持たないわけがなかった。今では十六歳という若さでありながらも、魔導具に必要な魔導回路の設計までこなしてしまう始末。それを喜んでいるのは父と義兄のフランだけであり、母親はもう少し女性らしい趣味、つまり刺繍の腕をあげて欲しいと嘆く日々。

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