【コミカライズ】【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
「それで、加速試験って何なんですか?」
 朝、その聞き慣れない言葉を耳にしてから気になっていた。
「三年分の寿命試験を、数十日で終わらせる試験」

「え、そんなことができるんですか? なんで? どうやるんですか?」

 ラーシュは彼女の予想通りの反応に嬉しくなってしまった。信頼性評価とは意外と地味なテーマである。地味でありながらも、魔導具の設計評価には必要不可欠なもの。さらに、その信頼性試験に必要なパラメータを算出する方法が意外と難しい。こつこつと地道な計算と日々戦っている。だから、研究そのものが地味と言われがちであるが、魔導具の設計者の中にはラーシュが算出した条件で加速試験を実施し、魔導具の寿命の確認を行っている者たちもたくさんいるのだ。
 それでも様々な要因が重なって、その試験を終えた製品が寿命に耐えられないときだってある。そうすれば、お前の計算方法が悪いと言われる始末。
 だからこそ、自分の研究についてこのように純粋に興味を持ってもらえることが嬉しかった。そもそも、あの魔導パン焼き機を独学で設計してしまうような少女なのだ。恐らく、魔導具に関することであれば、評価以外にも材料やその調達方法、製造工程など、全てのことに興味を持っているに違いない。

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