【コミカライズ】【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
 カリーネは綿の手袋を両手にはめて、修理依頼の魔導具の外観を確認する。見事なまでに、同じような魔導音声放送機。色違いなどはあるが、基本的には似たような構造。製造元が貼り付けている銘板から製造番号を確認する。これもまた、似たような製造番号のようだ。となれば、同じ時期に製造した可能性が高い。
 先ほどハイケが修理したという魔導具も手にする。こちらも似たような製造番号であった。
 つまりこの時期、この魔導具の製造工程で何かしら変更が加えられた、考えるのが妥当。

 未修理の魔導具を一つ手にしたカリーネは、自分の作業台に座る。不具合を確かめるために、魔導具の起動ボタンを押してみるが、どうやら起動しない様子。ハイケが言っていた内容と一致する。
 不具合が確認できたため、カリーネはゆっくりと外装を剥がして魔導回路を露出させた。起動しないというのであれば、起動回路を確認していくのが無難。だが、解析の前に回路図が欲しいと思い、カリーネはこの魔導回路を回路図へと落とし込み始めた。

「……ネ、カリーネ」

 名前を呼ばれて顔をあげる。

「お昼の時間。夢中になっていたわね……って、あなた。これ、この回路図」
 ハイケはカリーネの書いているものに気付いた。それは間違いなく彼女がこれから修理しようとしている魔導具の回路図。

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