婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
困惑するようなルビーの表情にハッとする。
そういえば、ジュリエットはいつもルビーが何か言うと「自慢ばっかりしてんじゃないわよ」「ふざけんな」と責め立てていた。
恐らく、それを気にしての事だろうと思った。
「私の事はもう気にしなくてもいいですから……!」
「!?」
「遠慮なくお二人で楽しんで来て下さい」
「…………ぁ」
尚も複雑そうな表情をしているルビーを見て、気にさせないように何事もなかったように話していると……。
「あ……!見ぃつけた」
「ちょっとご挨拶もなしに失礼ですわよ!」
「固い事言わないでよ、別に公の場じゃないんだしさ」
前からやって来るのはジュリエットが今まで関わったことのない令息と令嬢の姿。
だけど見覚えのある髪色と瞳の色、そして派手なドレスにグルグルに巻いた赤毛を見てある名前を思い出す。
「わたくし、キャロライン・ルディ・ジークサイドですわ!!」
「僕はリロイ・バーズだよ。宜しくね」
「何故此処に……?」と疑うような視線をものともせずにリロイは「カイネラ子爵達にはきちんと伝えてあるよ!サプライズがしたいってね……!」と、笑顔で言われてしまえば突っ込む気もなくなってしまう。
どうやら根回しはバッチリのようだ。