婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
ルビーは「ルビー・カイネラですわ」と優雅に挨拶しているが、不機嫌そうなキャロラインとニコニコと人当たりの良い笑みを浮かべているリロイを見てヒシヒシと嫌な予感を感じていた。


「……ジュリエット・カイネラです。ようこそお越し下さいました」

「あはは!そんなに嫌そうな顔をしないでくれよ」

「…………」

「最近、お兄様達がお世話になっていると聞いて会いに来て差し上げましたのよ?それに……」

「そうそう、そういう事……!僕にコソコソ隠れて通っていたから様子を伺ってたんだ」

「ちょっと!わたくしの言葉に被せないで下さいませッ」

「相変わらずキャンキャン煩いねぇ」

「……なんですって!?」


これまた我儘王女という言葉がぴったりと当てはまるようなキャロラインの台詞と見た目に目を見開いた。

(第二の悪役令嬢が、ついにやって来た……!!)

恐らく、物語的には第二章に差し掛かったのだろう。
そしてバーズという家名を聞くに、リロイはモイセスの弟で間違いない。
これまた面白いくらいに真逆な性格を持っている兄弟達である。

モイセスは堅物で無愛想に見えるが誰よりも優しくて包容力がある。
しかしリロイは……この様子を見るに、外見は可愛らしいが絶対に腹の中は黒いと直感的に思っていた。
この掴めない性格を見る限り、なかなかの曲者に違いない。

(見た目は猫のように可愛らしいけれど……中身はライオン、間違いないわ)
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