婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
先程とは違って、いつものように吃り始めたベルジェにホッとする。
ベルジェを異性として強く意識したのを上手く誤魔化せただろうか。

(お姉様の前で、良くなかったかしら……)

平然を装いつつも心臓はまだバクバクと音を立てていた。


「その話も含めてさ、今日は皆んなでお茶をするのはどうかな?」

「……?」

「偶にはいいだろう?僕はまだまだ君たちの事をよく知らないし、ルビー嬢もその方が嬉しいでしょう?」

「あっ、はい……!」

「!!」


その言葉にピクリとキャロラインが反応している。
初登場にも関わらず、まるで自分の家のように仕切り始めたリロイを見て苦笑いをした後に侍女達に合図を送り準備を頼む。

一旦、サロンに通して準備が出来るまで待っているとキャロラインの「全く、なんでわたくしがこんなところでお茶をしなくてはなりませんの?」「狭苦しい部屋ね」と文句を言っている。
その後、ベルジェから小さく注意が入る。

恐らくこの様子を見るに、キャロラインはリロイと一緒に居たいが為に付いてきただけなのだろう。
しかし先程リロイに誘いを受けたせいから分からないが、ヒシヒシと視線を感じていた。

サロンには、絶世の美女ルビーと完璧王子ベルジェ、我儘王女キャロラインと公爵家の令息であり令嬢達にも大人気なリロイ、そしてベルジェの近衛騎士で公爵家の嫡男であるモイセス…………錚々たるメンバーにカイネラ子爵家の使用人達の間に衝撃が走っていた。

妙な緊張感は此方にまで伝わってくる。
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