婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
そして先程からニヤニヤとしているリロイとイライラしているキャロラインに挟まれたベルジェが膝に手を置いて小さくなっている。
その隣のソファーでは過去最高にモジモジとしているルビーと心配そうにベルジェを見ているモイセスの姿があった。

やはりキャロラインの気持ちはリロイにあるようで、時折熱い視線を送っている。
そしてルビーの視線は何故かベルジェではなく、ずっとモイセスの方を向いているような気がして首を傾げた。

(もしかしてルビーお姉様はモイセス様が好きなのかしら……?いや、でもそんな筈は……)

それならば何故、ルビーは「モイセスと一緒に過ごしたい」と言わなかったのだろうか。

(ベルジェ殿下に好意を寄せられていて言い辛いとか?でも、もしモイセス様が気になっているのなら毎回、ベルジェ殿下と過ごしたりしないわよね?)

ルビーは長年片想いしている相手が居たという一途でピュアなヒロインだった。
そんな気持ちを乗り越えるようにベルジェと愛を育み、結ばれるのではなかったのだろうか?
純粋で応援したくなる要素があり、尚且つ美し過ぎる容姿を鼻にかけずに気さくな性格である事。
そして様々な困難に立ち向かっていくルビーの姿はヒロインに相応しいのだろう。

そんな時、苛立ちが滲む甲高い声が響く。

< 116 / 229 >

この作品をシェア

pagetop