婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情

「…………」

「フン!わたくしに声を掛けたら喜ぶと思ったら大間違いなんだからっ、余計な事をしなくてもっ、そんな……別にッ!」

「…………」

「…………っ」


必死に叫ぶキャロラインが気が済むまでと黙って話を聞いていた。
絞り出すように吐き出す声はとても苦しそうに思えた。


「ーーちょっと、何とか言いなさいよ」


その言葉に小さく首を横に振った。


「なっ……!」

「何もありません」

「…………え」

「どうぞ、私の事は好きに言って下さい」

「!!?」

「気が済んだら一緒にドレスを選びに行きましょう」


キャロラインはその言葉にポカンと口を開いたまま固まっている。
その後、肩を震わせて怒りを露わにしている。


「その態度……!このわたくしを馬鹿にしてるのッ!?」

「いいえ」

「……!!」


むしろ「子爵令嬢のくせに」馬鹿にしているのはキャロラインの方ではないだろうかと、突っ込もうとして口を閉じる。
とりあえず言いたいように言わせて、最後まで話を聞いていた。
今までの人間関係で学んできた経験が生きて何よりである。

そしてキャロラインの叫びを聞いて思った事は……。
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