婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
呆然としているキャロラインの手を握った。
同じ悪役令嬢として散っていくキャロラインを助けたい気持ちもあったのかもしれない。
余計なお節介かもしれないが、やれる事はやってみようと、そう思った。


「もう少しだけ、私と一緒に話をしてみませんか?ドレスを買いに行く馬車の中なんてどうでしょう?」

「…………!!」

「二人きりで」


きっとキャロラインは他に人目がない方がいいと思った。
その言葉に、キャロラインは俯いた後に小さく頷いた。
ドレスを掴む手はブルブルと震えて力が篭っているように見えた。

そんな時、モイセスと林檎のように顔が真っ赤になっているルビーの姿が見えた。
フラフラと覚束ない足取りのルビーは血が滲んだ布を持ちながら鼻に押し付けている。
つまづきそうになるルビーの体をモイセスが支えると、彼女はピタリと止まった後、そのままグッタリとして意識を手放してしまう。

(まさか、鼻血!?間近で見るモイセス様の刺激が強すぎてとか……?いやいや、あり得ない!そんな漫画みたいなこと起きる訳…………ないわよね!?)

更に焦ったモイセスと慌ただしく動く侍女達を見ていると、まるでコントのようだ。
再びルビーは何処かに運ばれていった。

そんな時、タイミング良く此方に戻ってきたリロイとベルジェは手を繋いでいる此方の様子を見て驚いているようだった。
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