婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
『キャロライン王女殿下は、もっと王女らしく振る舞うべきですわ』
『ベルジェ殿下に負けないように存在をアピールしなければ』
『舐められたら終わりですわ。そうそう。そのままの態度を続けていればいつかきっとリロイ様だって納得します……だから』


「もっと王女らしくしましょう?って……教えてくれたの」

「え……」

「誰にも媚びては駄目だと、王女として威厳がなければリロイには相応しくないって言わたから、わたくしは一生懸命頑張ったのだけれど……」

「……………」


アイカは味方をしているように見えて、良くない方向に引っ張っているように見えるのは考え過ぎだろうか。
彼女は善意のつもりなのかもしれないが、キャロラインを応援しているようでどこか噛み合っていない。

(なんか……違和感があるのよね)

アイカ・ドノレス。
ドノレス侯爵家の三女で、いつも人当たりのいい笑みを浮かべており、男女問わず仲の良い令嬢や令息も多い。
ルビーやキャロライン程ではないが品があり美しい。

(ルビーの唯一の友人でキャロラインのアドバイザーで、確かジュリエットにも……)


「ちょっと、聞いてるのッ!?」

「…………!!」


なにか掴みかけたところで、キャロラインによって現実に引き戻される。
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