婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
「……はい、何でしょうか」
「だから……ジュ、ジュリエットと、呼んであげてもよくってよ!!!」
「え?」
「これからは公の場以外ではキャロラインとお呼びなさい!!いいわねッ!?それから普通のおっ、お、お友達のように喋りなさいッ」
「あ…………はい。じゃなくて、分かったわ。キャロライン」
「っ、なかなかいいじゃない!わ、わたくし達お友達だから、一緒にドレスを選んであげますわ」
人一倍ドレスにこだわりを持っているキャロラインは本当は令嬢達とドレスについて話したいと思っていたが、近付けば「我儘王女が来た」と逃げられて、話せたとしてもマウントや自慢をされるのではと引いてしまうそうだ。
それでも王女としての威厳を保つ為には致し方ないと思っていたようだ。
「ふふっ、ありがとうございます!」
「い、行きますわよ!!」
先に到着していたベルジェとリロイと合流した。
心配していたのかハラハラと右往左往していたベルジェは、キャロラインと仲良さげに話す姿を見て、安心したようにホッと息を吐き出した。
リロイは見たことのない優しい笑みを浮かべていた。