婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
そして繰り返しの訓練の甲斐あって少しずつ良くなってきた。

効果を試すために「パーティーの打ち合わせ」と称してモイセス達、三人をカイネラ子爵邸に呼んでは練習の成果を試していた。
しかし本人達の前では中々上手くいかないようで、次の日はどんよりとした雰囲気でハーブティーを啜っている二人を見ることが出来た。

(恋かぁ………)

何度失敗しても懸命に努力をしている二人はキラキラと輝いて見えた。
最近ではモイセスとルビー、リロイとキャロラインが共にいる事が増えた為、自然とベルジェと一緒に過ごす事が多くなった。

(まさかお姉様の相談を受ける為にカイネラ邸を訪れていたなんて……)

どれだけお人好しの王太子なんだと思うのと同時に、ルビーのヒロインとしての素質に震えていた。
だが、本人はしっかりとモイセスが好きと公言しているので、このまま小説のようにベルジェと結ばれる事はもうないのだろう。


「ジュ、ジュリエット嬢……大丈夫か?」

「あ……すみません、考え事をしていて」

「いや、いいんだ!こちらこそすまない……その、考え事の邪魔をして」


今日はベンチに横並びに座って話をしていた。
目の前には相手を懸命に振り向かせようと頑張るキャロラインとルビーの姿があった。
最近では二人の恋を応援するのと同時に羨ましいと思っていた。
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