婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
「ーーー!?」

「勿論、答えたくないなら大丈夫ですよ?」

「違うんだ……!その……っ」


ベルジェはそう言って顔を赤くした後に固まったように動かなくなってしまった。
彼の言葉を待っていると、ついには両手で顔を隠すように覆ってしまった。


「……ふふっ、好きな人が居るんですね?」

「それは、居るが……っ」


その瞬間、何かが心に引っかかったような気がした。

(ベルジェ殿下は、好きな人が居るんだ……)

ずっとルビーの事が好きだと思っていたが、カイネラ邸に来ていたのは相談の為だった。
おどおどしているが、優しくて思いやりがあるベルジェに愛されるのなら相手も幸せだろう。
嬉しいはずなのに何故か素直に喜べなかった。
ふと、そんなベルジェを射止めた女性が気になった。

(ベルジェ殿下が選ぶ人ってどんな人なのかな)

そんな思いからか、口からポロリと言葉が漏れる。


「どんな人なのですか?」

「…………え?」

「ベルジェ殿下の好きな方は、きっと素晴らしい方なのでしょうね」
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