婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
「ベルジェ殿下はとても優しくて思い遣りのある人なのに……その人は勿体ない事をしていますね」

「……!?」

「モイセス様からもリロイ様からも、キャロライン様からもベルジェ殿下のお話を沢山聞きました。もっと自信持っていいと思います」

「…………ッ!!」


照れているのかベルジェの顔が再び真っ赤になっていく。
恐らくその子の事を思い出しているのだろう。


「それに勇気を出して言ってみることも大切ではないですか?」

「勇気……」

「想いは黙っているだけでは伝わりませんし……」

「!!!」


意外と裏ではモジモジとして恥ずかしがり屋のベルジェの事だ。
好きな人に想いを伝えられなくて困っているのだろうと思った。
それにキャロラインも「お兄様ってば悩んでばかりで……」と言っていた事を思い出した。


「そのっ……それは、ジュ、ジュリエット嬢は……もし、もしも俺が」

「……?」

「お、俺がジュリエット嬢のことが好きだと言ったら受け入れてくれるだろうかッ!!!?」

「え………?」


一気に言い切ったベルジェの言葉に驚いてしまう。
真剣に此方を見つめている彼の瞳はゆらゆらと揺れている。
答えづらい問いだな、とは思いつつ、この状況では誤魔化すことも出来ないだろう。

(もしベルジェ殿下に好きだと言われたら……)

うーん、と唸りつつ考えていると隣から熱い視線を感じていた。
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