婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
「ーーーお兄様ッ!!今、早馬で手紙が届きましたわ。今すぐ城に戻らないと……!リテ皇国からお客様がいらっしゃったそうですわ!」

「リテ皇国……!?彼が来るのは明日の予定ではなかっただろうか?」

「それがサプライズだと……お兄様がいなければ言葉が通じません!きっと皆、困っていますわ!急ぎましょう」


そう言うと、ベルジェは悔しそうに一瞬だけ唇を噛んだ後に、すぐにいつもの表情に戻った。


「ルビー嬢、ジュリエット嬢、すまない……!失礼する」

「いえ……!お気をつけて」


先程の態度とは切り替わって別人のようなベルジェは「見送りはいらない」と言って早足で去って行った。
その後ろに残念そうなモイセスと名残惜しそうに振り返るキャロラインが続く。


「「…………」」

「わぁ……!タイミング、最悪だね」

「ーーッ!?」

「リロイ様……!」

「あと少しでも何かが変わりそうだったのに……残念だ」


背後から静かに現れたリロイに二人で肩を揺らした。


「ベルジェはこうしてカイネラ邸に通っているけど常に忙しくて、あっちこっちで引っ張りだこだよ。完璧過ぎるのも考え物だね」

「リテ皇国って独特な語学を話しますよね?」
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